ゴー宣DOJO

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高森明勅
2012.5.19 13:16

ご近所の奥様方に白眼視された話

昼間、我が愛犬むーすけ(白のポメラニアン、高森ウィンドウズのオープニングに一瞬、出演)の散歩に出かける。

お隣とその向かいの奥さんが、我が家の勝手口の前で立ち話中。

見たところ、かなり前からそこでお話しされていた模様。

いつも通り「こんにちは」と快活に挨拶した。

つもりだったが、何故かお二人とも、不審人物に出会ったような、ぎこちない応対ぶり。

(あれっ?)と思いながら通り過ぎた。

謎が解けたのは、散歩を終えて、帰宅してから。

勝手口の窓がほとんど全開状態。

今日は気温が高かったので、家内が買い物に出かける前に、開けてくれたのだろう。

家内には珍しく優しい心配りだ。

が、それがアダになるとは……。

実は散歩の前、勉強熱心な私は、小林よしのりさんが絶讚されているアイドルグループ「AKB48」を研究する為に、
柄にもなくAKBのドキュメンタリー映画(最新の平成23年度版)のDVDを見ていた。

我が家には誰もいなかったので、音量はやや大きめで(誰もいないからこそ、堂々とこのDVDを見ることが出来たとも言える)。

しかも、ご覧になった方はお分かりのように、その内容は極めて感動的。

この映画自体について、改めて講釈を垂れたいくらいだ。

しかし、現代を代表するAKB評論家がこのブログを覗くことも予想されるので、そんな身の程知らずなことは勿論、出来ない。

それはともかく、DVDを見ながら、画面に向かって、私はかなり言葉を発していた記憶が(うっすらと)ある。

これも普段はしないことだ。

「たかみな、お前は偉い!」とか、「優子、ここでその笑顔が出来るのか!!」等々。

後は想像にお任せする。

が、AKBの楽曲と私の声援?がだだ漏れで、勝手口の窓から外に聞こえていた可能性は十分、ある。

というより絶対、聞こえていたはずだ。

更にタイミングの悪いことに、DVDを見終わったらすぐに、私はやや高揚した気分で犬の散歩に出かけている。

少しでも時間が開いていれば、お二人も気を取り直す余裕が持てたはずだ。

だが、そうではなかった。

ついさっきまでAKBの画面に語りかける声が聞こえていた本人が、いきなり顔を見せ、いつも通り、のつもりが、
いつも以上に快活な挨拶をしたのだろう。

さすがに世間慣れした奥様方も、露骨に戸惑ってしまったのも無理はなかった。

私はこの年で、いつもアイドルの歌を聞いているわけじゃあないし、画面に語りかけてもいない。

もう一度、外に出て行ってお二人に弁明したかった。

だが、それをやれば、ますます「変なおじさん」になってしまう。

何たること!

これからは、窓の開閉にくれぐれも気をつけよう。

もう手遅れのような気もするが。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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